会食恐怖症をご存じですか?
会食恐怖症とは、誰かとごはんを食べること(会食)に対して強い不安や恐怖を覚え、実際に吐き気や動悸、食べ物を飲み込めない等の症状が出るため、そうした場面を避けるようになり、社会生活に支障をきたしてしまう社交不安症の一種。
ただ普通に人と食事するだけなのに、それが難しい。そんな人が世の中にはいます。
発症のきっかけは、給食等での行き過ぎた完食指導や、会食でのトラウマ(食べ物が喉に詰まったり吐いたり)などがあるらしい。
私の場合は会食でのトラウマ。実際に食事会の場で吐いてしまい、それ以来 また人前で吐くかもしれないと強い不安と恐怖を感じるように。
私にとってはパニック障害になるきっかけともいえる出来事で、そのせいか、電車や人混みはほぼ克服できたのに、いまだに会食だけは苦手なのだ。1人はもちろん、家族や親しい人とは大丈夫だし、それ以外の場合も毎回食べられないわけではないが、酷い時は数口しか食べられない。

そんなわけで職場の人とのランチも避けてきたんだが、立て続けに3回(それぞれ別の)同僚とランチすることになった。
1回目は出された料理の四分の一しか食べられず惨敗。お疲れ気味の胃腸にビーフシチューの脂が堪えたというのもあるが、行く前から憂鬱だったし、実際に食べられないショックと具合の悪さで会話も上の空。地獄のような時間だった。
しかしもっと地獄なのは、これをあと2回やらねばならないことだ。いっそ胃腸炎にでもなったことにして断るか?という考えも浮かんだ。
だが、私が出した答えはネバーギブアップ。(急にどした?)
1回目からわずか数日後の2回目、3回目のランチでは完食&会話を楽しめるまでに、不死鳥のごとく復活したのである。
では、どうやって地獄のどん底から態勢を立て直したのか? 起死回生をかけて挑んだ私の数日間を振り返りたい。(プロジェクトXか´Д`)
たった2日でも人はどん底から這い上がれる
諦めるのは簡単だ。だが私はもう逃げないと決めた。
<取り組んだこと>
・ネガティブな考えが浮かぶたびにリセット
私のバイブル、『会食恐怖症が治るノート』(山口健太・著)によれば、脳はなるべく楽をしようとして、その人がよく考えることは自動で思い浮かぶようになるそう。つまり、会食恐怖症の人は会食をイメージしただけで反射的に不安が浮かんでくるというわけだ。
なので、そんな時は「今感じている不安や恐怖をリセットします」と唱える。なぜならそれは自分が作り出した妄想であり、現実のものではないから。
山口氏いわく、人は何かを考えないようにするのは難しいので、ネガティブなことを考えないというよりは都度リセットするのが良いそう。
私はセットでこう唱えることにした。「私は心身ともに健康です。何も怖いものはありません」と。
・物事のポジティブな面に意識を全集中
例えば今回のランチも「発作が起きて食べられないのが怖い、嫌だ」というネガティブなものから、「普段はなかなか話せない同僚とゆっくり会話できる貴重な機会で楽しみだ」といったふうに切り替える。
脳は楽しようとするのなら、良い方向に癖づける。それはもう般若信教のように何度も唱える。
次第に、あれ?本当に楽しみなんじゃ?と脳が錯覚し始めるのさ。(本当か?´Д`)
・脳内での切り替えに限界を感じたら、体を動かして強制リセット
注意してても、なんかようわからん得体のしれん奴に脳ごと乗っ取られそうになる時ありません?
ハッと気づいた時には、暗くて深い沼に引きずり込まれそうになってるみたいな。
そんな時は音楽を聴きながらインターバル速歩。好きなドラマの登場人物になったつもりで練り歩いたり、あのワンコ可愛いなとジロジロ見たり。(やめてーヘンタイ´Д`)
場所を変えたり体を動かしたりすると、単純だがリセットできる。ポジティブまでいかずとも、フラットな状態に戻せれば良いので。
・会食の目的を決める
人は注意のベクトルが自分に向いているとより不安になったり緊張したりするが、相手との会話など自分以外に向いていると不安や緊張が少なくなると山口氏は言う。
これは本当にその通りで、また食べられないかもとか、変に思われてるかもとか、そんなことばかり意識していると不安や緊張が強まり、実際にネガティブな結果を引き寄せてしまうもの。
だから今回の目的も完食ではなく、あくまで楽しく会話することとした。なんなら食べられなくてもいい、とにかくおしゃべりを楽しもうと。例えば、普段は言えない日頃の感謝を伝えるとか、相手の好きなものを聞き出してより相手を理解するとか、最近自分がハマっているものを共有するとか、具体的に質問や会話の小ネタも用意。(面接か?´Д`)
あと補足は、好きなお店や自分が食べやすいものを選ぶ、当日は間食せずお腹を空かせておくなど。。

その結果、惨敗からわずか3日後のランチは、当然緊張はあったものの、目的通りしゃべり倒した。それはもうペラペラと。(いやそうじゃなくて´Д`)
相手は多少圧倒されてたかもしれないが、おかげで気づけば完食していた。
そこからまた数日後のランチでは前回ほど緊張せず。こちらも食べることより会話に集中。とにかく笑いを取ることに自分の持てる全てを注ぎ込んだ。(何を目指してんの?´Д`)
くだらないことでゲラゲラ笑っているうちに、こちらも完食していた。
こんな自然に食事と会話を楽しめたのは久しぶりで、正直2025年で一番嬉しかったかもしれない。
ポジティブになる訓練
今回改めて、思考が体に及ぼす影響の大きさを実感した。
あと意外と自分ネガティブなんだなと。ちょくちょく何かしら心配や不安に駆られている。
でも、訓練次第でポジティブになれるんだったら、なったほうが得では?
会食恐怖症もあれ以降 同様の機会が無いので、記事タイトルは「一時的に」としたが、ちゃんと克服したいし。
というわけで、このひと月 密かに一人ポジティブキャンペーンをしていた。
その試行錯誤の中で、現時点で効果がありそうと感じたものを紹介したい。会食恐怖症に限らず、きっと様々なシーンで有効ではないかと。
・ネガティブな考えはリセット
先に述べた通り。
気づいたんだが、ふと浮かぶネガティブな考えにはたいてい根拠がない。漠然とした不安や、起こるかわからないことを先回って心配したり。そんなワケわからないものに振り回されるのはやめよう!
・リフレーミング
リフレーミングは、物事の捉え方の枠組み(フレーム)を変えることで、否定的な考えを中立的、肯定的なものに転換させる心理学の技法。例えば、コップに入った半分の水を見て「半分しかない」→「半分もある」と捉え直すことで、行き詰った事態を打開する等の効果が。
起きた事実(コップの水)は変えられないが、その捉え方は変えられるということ。
・コントロールできないことは割り切る
気づくと、一人で悩んでも仕方ないことを悩んでいる。
例えば、自分が頑張ったことに対して期待通りの反応が得られなかったり、すぐ結果に結びつかなかったりすると、ついネガティブになってしまう。
だが、自分以外の人がどう感じてどう動くかはコントロールできないことだ。
それならば、自分のコントロールできることに集中し、それ以外は悩まないと決める。
・できなかったことより、できたことに注目
リフレーミングにも通じるが、物事の悪い面より良い面を見るようにする。すると感謝の気持ちも芽生えてくる。
・体を動かしたりコリをほぐして血行促進!
メンタル不調の時は、体の冷えやコリも酷い気がする。運動やマッサージ、風呂やサウナで、自律神経を整えて血行を促進すると、自然とネガティブな気持ちも消える。
幸福学の第一人者の前野隆司氏※1いわく、ポジティブになるにはフィジカルとメンタル両方からのアプローチがカギとのこと。フィジカル面では栄養不足や睡眠不足、筋トレ不足などの解消が必要らしい。
ただ何事も無理は禁物
1ヶ月経って思うのは、そんな簡単に考え方の癖は変わらないということ。
そりゃそーだ、長い年月をかけて形成されたんだから。
例のランチは短期間だから逆にやり切れたのかもしれない。あの熱量をずっと維持するのは無理だ。長い目で根気強く取り組む必要がある。
また努力したって、どうしてもネガティブモードから抜け出せない日もある。
そんな日もあっていい。生きているんだもの、むしろ普通じゃないか?
そんな時は自分を責めず、こんなに疲れるほど頑張ったんだなと自分を労り、ゆっくり休もう。
最近はただズルズル闇に飲まれるのではなく、今自分はこういうモードなんだなと客観視できるようになってきた。これも大事な一歩だと思う。
まぁ今年が終わる頃には、悩みのないことが悩みですねん、ガッハッハッという超ポジティブ人間になっている予定です。(それも嫌だろ´Д`)
<行き詰った時や疲れた時に読みたい本>
※参考書籍:
・『会食恐怖症が治るノート』
(一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 理事長・山口健太 著)
※参考サイト:
・一般財団法人 日本精神医学研究センター
『会食恐怖症とは』
・心理学用語集サイコタム
『リフレーミング』
・日本女子大学 心理学科 オリジナルWebページ
『「リフレーミング」:視点を変えてみてみよう➀』
・みんチャレ ブログ ※1
『【慶應大 幸福学の第一人者が伝授】ポジティブになりたい人必見!今日からできる簡単な思考転換法』



