なぜ今、新宿で七福神めぐりなのか?
七福神めぐりとは、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、布袋尊、福禄寿、寿老人の七つの神様が祀られている寺社を巡って開運を祈ること。七つの災いを遠ざけ、七つの幸福を授かると言われている。
今年の正月に日本橋で初めて七福神めぐりをして、案外面白かった。
寒空の下、強風にさらされて7回並ぶという行為は、ある意味 己の生命力と忍耐力を極限まで試されるものであったが、それをやっただけのご利益はあったような気がする。
ただ最近なんか負のスパイラルにはまりかけているような、小さなことでイライラするような嫌な感じがあり、また家族が手術するかもしれないことなども重なって、ここらでもう一度巡ってみたくなった。
七福神めぐりは正月だけという寺社が多い中、新宿は通年で受け付けているらしい。

それに、実は新宿には借りがあった。
パニック障害になって以降のプチ熱中症の2回は新宿で起こっている。
新宿の酷暑たるや凄まじく、東京湾からの涼しい風がおそらく港区の高層ビルやタワマンに遮られて届かない上、容赦ないアスファルトの放射熱に、おびただしい群衆、優しさとは無縁の空気(あくまで個人のイメージです)が、残酷に私を追い詰めた。
もちろん苦手なら行かなければいい。
だが、あえて行かないのと行けないのとでは、月とスッポンほど違う。私はこの夏、病気を言い訳にしないと誓った。それに、新宿での楽しい思い出もあるだけに、このまま喧嘩別れのような状態で良いのかという葛藤もあった。
そこで約6年のブランクを経て、私は再び夏の新宿と対峙することにしたのである。
あと全然関係ないが、世界陸上で世界新とか目にして、私も何か挑戦したくなった。
ある意味、この史上最も厳しい残暑の中、都会のど真ん中で七福神めぐりをするということも、人類の挑戦と言えるのではないか?と。(全然ちげーよ´Д`)
JR新宿駅との再会、レトロ喫茶でモーニング
当日、命のやり取りをする覚悟で家を出たが、予想外に涼しくて拍子抜けした。
最高が28℃なので歩いていたら暑くなりそうだが、30℃を切るだけで涼しく思えるほど過酷な日々だったんだなと、自分を労わりながら新宿を目指す。
やや緊張気味にJR新宿駅に降り立った私。そう、あの熱中症はまさにここで始まった。
巨大ターミナル駅でありながら、当時の新宿駅構内には空調が無かった(と思う)。
西改札と東改札の辺りは地下なので熱や湿気がこもりやすく、特に東改札近くのトイレは蒸し風呂状態だった。人に会う前に身だしなみを整えねばという(今は無き)乙女心があだになった。もはや途中からメイクを直しているのか、崩しているのか。。視界もぼやけてゆき、トイレを出る頃には別の意味で顔がキマっていたと思う。
その因縁のトイレは、現在も空調が無いようだ。今日の天候でさえ少し蒸し暑く感じた。
だが、東改札と西改札を結ぶ駅構内のコンコースでは、時折涼しい風が!!
空調の吹出口らしきものを見つけて嬉しくなる。ホコリの溜まり具合から、それなりに年月は経っているようだ。
そりゃそうだよね、と少し満足して南口へ引き返す。(誰目線?´Д`)
ちなみに南改札辺りは地上だからか、空調らしきものは見つけられなかった。(もうええて)
東南口のそばの新宿観光案内所で、新宿山ノ手七福神めぐりのガイドマップをゲット!


無事に新宿駅との再会を果たしたらお腹が空いてきた。
1つ目の太宗寺までの道すがら、老舗喫茶の珈琲貴族エジンバラでモーニングを。
完全分煙ではないので、店の奥は普通に煙草のにおいがするため、入り口付近の窓際席を陣取る。ここならそれほど気にならないし、眺めも良いし、むしろ特等席かも👍

モーニングタイムの11時半まではコーヒーお代わり自由!
サイフォンで淹れた熱々のコーヒーは、苦味がちょうど良いマイルドな味わい。
Wi-Fiとコンセントもあるので、仕事している人もチラホラ(今日は平日)。トイレも綺麗だし、混んでるチェーン店より穴場で良いかもしれない。

いざ新宿山ノ手七福神めぐりスタート!
どこから巡ってもよいそうだが、ガイドマップのおすすめ順で行く。
マップによれば全部で約6.9㎞、徒歩約1時間50分の道のり。
①太宗寺 <布袋尊>
布袋尊(Hoteison):豊かな暮らしと円満な家庭の守護神

エジンバラから徒歩数分で到着。

今回は宝船や神様の人形は買わず、特製色紙に御朱印を集めてゆくことに。
布袋尊の御朱印入りで色紙は800円だった。これ以降の各御朱印は400円なので、計3,200円の予定。

稲荷鬼王神社へ向かう途中、近道しようと大通りから脇道に入ったらホテル街だった。
平日の昼間で人も少なかったが、なぜかこちらが気まずくなりそそくさ退散。
余計な煩悩や雑念に邪魔されたくない人は、大通りの明治通り沿いを進もう!
いや私は気にしませんという人は、進行方向の一点を真っ直ぐ見据えて力強く突っ切ろう。
②稲荷鬼王神社 <恵比寿神>
恵比寿神(Ebisu):漁業の守護と商売繁昌・開運の神

御朱印を待つ間、蚊が多いとのことで、虫よけスプレーを貸してくれる。ありがたや。

昼間になり気温も上昇。途中に坂道もあって日向は汗ばむ暑さ。
③永福寺 <福禄寿>
福禄寿(Fukurokuju):長寿の神


④厳嶋神社 <弁財天>
弁財天(Benzaiten):七福神唯一の女神で、金運、縁結び、芸事上達の神


1月1日~7日以外、弁財天の御朱印は近くの西向天神社でもらえるとのこと。早速向かおうとしたら、参拝者のおばあさまに呼び止められる。
お参りの仕方が悪いとか勝手に鯉を撮るなとか注意されるのかと身構えたが、七福神の紙袋を持っていたので話しかけてくれたらしい。
ここを出る時は、入ってきた鳥居はくぐらず、反対側の鳥居をくぐると良い。悪いものが通り抜けると言われているから、というようなアドバイスをくれる。
あぶねー戻るところだった。

最後に「あなたね、きっとこれから良いことありますよ」と笑顔で励まされ、もしやとんでもなく悲壮感でも漂っているのかと不安になるも、思いがけず人の温かさに触れて嬉しくなる。
西向天神社

というか、だんだんさっきのおばあさまが弁財天の化身か何かだったんじゃないかという気がしてくる。

➄法善寺 <寿老人>
寿老人(Jurojin):不老不死の霊薬を持つという長寿の神


ここまでで約1時間半。だんだん足が痛くなってきた。
トイレも行きたい。明らかにさっきお代わりしたコーヒーの影響だが、あと2つだしここは休憩せず一気に行こう。その方がご利益もありそう。
⑥経王寺 <大黒天>
大黒天(Daikokuten):開運厄除の神

色紙を返される時に「ご苦労様です」とねぎらわれ、疲れも吹き飛ぶ。

よ~し、あと1つだ!とマップに目を落とすと、あと21分も歩かねばならないことを知って動揺。勝手にあと5分くらいの感覚でいた。
これはもうご利益がどうとか言っている場合じゃない。
ふらっと道沿いのスーパーに吸い込まれてゆくも、悟りの境地で退店。(トイレが見つからなかったんやな´Д`)
いや、この苦しみと痛みこそ実は求めていたものなんだ、と無の境地で歩き出す。(マゾなの?)
⑦善國寺 <毘沙門天>
毘沙門天(Bishamonten):四天王として知られる、商売繁昌、勝運、開運厄除の神

やっと着いた~!最後の善國寺は神楽坂のど真ん中。
御朱印を担当した年配の方が、今日の日付を入れてくれると言うのでお願いしたら、間違えて平成の平を書いちゃったとのこと。見せられた色紙には、「平令和」という新たな元号が。。
な、なんだと!?もう令和になって6年も経ってるのにぃ!と責める気力もなく、平和の平が入ってて、これはこれで逆に縁起が良いかもと思えてきた。7箇所巡るうちに不思議と心も穏やかになり、仏のような笑みで修正しなくて良いことを伝える。

【総括】七福神めぐりを終えて
最後は足も痛くてスローペースだったので、結局2時間半かかった。いかに普段歩いていないかを痛感。
帰りは飯田橋駅からだが、駅のそばに果実園リーベルを発見し、自動的に吸い込まれてゆく。

なんだかんだで今年初マンゴーかも。もう秋だけど。
食べ終えたところで、今回の挑戦を総括してみよう。
結果、真冬の七福神めぐりより楽だった。(なんやそれ)
幸い残暑もそれほどではなかったし、時期的にガラ空きで並ぶ必要もなく、スタンプラリー感覚で楽しめた。
夏の新宿と対峙するという目的こそ果たせなかったが、JR新宿駅のプチ進化を確認し、普段は歩かないところを歩き、人情にも触れて、これまでとは違う角度で新宿を捉えることができて新鮮だった。
私は新宿を勝手に知った気になっていたのかもしれない。百合子に謝らねば。(それはええて´Д`)
一つ一つ巡っていく中で、体は疲労や痛みを感じるが、不思議と心は軽くなっていった。
それがなんだかとても心地よかった。
※参考サイト:
一般社団法人新宿観光振興協会
『新宿山ノ手 七福神めぐり - 東京』