くるみの庭 ~ちょっとここらで深呼吸~

パニック障害を経験した筆者が、病気や人生のこと、心身の健康のために取り組んでいることを発信。

老舗銭湯の洗礼

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最近、アマプラで『湯遊ワンダーランド』という連ドラを観た。
漫画が描けず、悪夢に悩まされる日々を送っていた漫画家の主人公・きつこ(ともさかりえ)がサウナと出会い、初ととのう体験や銭湯に通う人々&家族とのやり取りを通して自分と向き合い、日常のストレスや悩みを解消していくというお話。
こう書くとまともな感じに聞こえるが、一つひとつの話はだいぶシュールである。
なぜなら、きつこをはじめとする主要登場人物が全員ぶっ飛んでいるからだ。いや、いい意味で。
ここでは、きつこに様々な影響を与えるキーマン(?)として、銭湯のマナーにうるさいババア=主(ヌシ)の存在が描かれている。
例えば、洗い場で歯磨きする人やサウナで横になる人、浴槽のそばで足裏の角栓をゴシゴシする人、サウナで無駄に股をおっぴろげている人なんかに、歯に衣着せぬ物言いで注意していく。
時には「コラ!」の一声で瞬殺するヌシ。 つ、強すぎる…
きつこ同様にそんなヌシに恐れや苦手意識を感じつつも、はっきりと良いものは良い、悪いものは悪いと人に伝えられるヌシの存在は、この令和の時代にすごく貴重な気もする。

思い出したのだが、実は私も20代の頃に銭湯でヌシ的な人物に注意されたことがある。
ひょんなことから友人とある老舗銭湯に立ち寄った時のこと。
古くから町に根差した小さな銭湯に行くのは初めてだったので、慣れないシステムに戸惑いながらも、タオルを買っていざ中へ!
かけ湯代わりに気分良くシャワーで汗を流していたのだが、一瞬シャワーヘッドを床に直置きしたところ、突然背後から「汚いじゃない」と注意された。
この人いつから後ろにいたんだと驚きながらも、この時はすぐに謝って元に戻した。
だが、いざ浴槽に入ろうとした時、これまたいつの間にか先回って湯に入っていたその人が「ったく汚いわね。足くらいちゃんと洗いなさいよ」とディスってきたのである。
これにはつい私もカチンときて、
「は??ちゃんとかけ湯してから入ってるんですけど。てか、ここおたくの風呂ですか?」
と心の中で言い返したわけだが(弱い…)、それより何より気になったのは、
「私の足ってそんな汚いですか?」とゆうことであった。(それはどうでもいい´Д`)

今回ブログに書くにあたり、念のため”かけ湯”について調べてみたところ、意外にもしっかり洗う派の存在が明らかになって動揺している。。
面白いのは銭湯の組合によっても”かけ湯”の解釈に違いがあるようで、各組合のサイトを見ると、できればしっかり洗おう派と、お湯だけorしっかり洗うのどちらでも良い派、お湯だけ派(特に洗うことへの言及無し)と分かれている。
中には、しっかり洗いましょうと施設内に明記している銭湯もあるらしい。
たぶんくだんの銭湯にはそんな明記はなかったと思うが、、あれは単なるヌシの言いがかりというわけでもなかったということか。。
今日まで何の疑いもなく純粋にお湯だけ派だった私。
だが今後は違う考えの人がいることを踏まえ、周りの空気を読んで判断しようと思う。
特に昔ながらの小さな銭湯に行くときは。
真っ先にヌシをマークしよう。(そこかい) 
もしかしたら暗黙のルールとやらもあるかもしれんしね。。
ちなみに、みなさんはどちら派ですか?

これが一つ目の洗礼で、もう一つはそれから数年後のこと。
正直こっちのほうがインパクト大で、私がわずかながらにも抱いていた銭湯の概念を根底からくつがえす出来事だった。
それは、おじさんの番台である。
ん???
おじさんだ。
おじさんが番台に座っていたんだ。
この瞬間まで、私はおじさんの番台が存在することを知らなかった。。
番台はおばあさんやおばさんの特権だと思っていた。(なんやそれ)
決して男女差別ではない。そんなつもりはない。
ただこの時初めて男性側(おばさんの番台)の気持ちがわかった。

たまたまなのか、おじさんの座ったタイミングも良くなかった。
初めは確かにおばあさんが座っていたのだ。
この時は幸いヌシに遭遇することもなく、初めてリラックスして銭湯を満喫していた私。
風呂から上がったら、おばあさんが女性の脱衣所を掃除していた。
掃除までしてばあさん精が出るな~などとのんきに感心しながら、扇風機の前へ直行&全裸で仁王立ち。していた私であるが、ふと我に返った。
待てよ、、ばあさんがここにいるなら、番台には誰が…?
その時目にした光景は、たぶん今後も人生のふとした瞬間に浮かんでくるのだろう。
世間知らずの自分を戒めるものとして。
あるいは、人生の可笑しみや悲しみを思い出させてくれるものとして。

それ以降、老舗銭湯には行ってない。正直一度も行こうと思わなかった。
今通っているのは新しく出来たスーパー銭湯だ。
スーパー銭湯はいい。ヌシもいないし、番台もいない。
私はここで誰にも邪魔されずに心身ともに丸裸になることができ、初ととのうも経験した。
スーパー銭湯バンザイ!!!
けれど、最近サウナの道に足を踏み入れて欲が出てきた。
いろいろなサウナへ行ってみたくなったのだ。『湯遊ワンダーランド』の影響もある。

それにあの頃は小娘だった私も、今や立派な(?)アラフォーである。
近頃は、昔だったら恥ずかしかったことが気にならなくなってきた。これが俗に言うおばさん化というやつであろうか。。
例えば、電車など静かなところで傘を倒して大きな音を立てると、昔は気まずかった。
だが今は、気まずさより先に苛立ちがくる。拾わないといけないのが面倒くさい。思わずチッと舌打ちしてしまうこともある。クソババアである。
また昔は道でつまずいたり、ヒールが溝に挟まったりすると、火が出るように恥ずかしかった。
だが今は、ヒールを履かなくなった上、たとえ人通りの多い道でつまずいても恥ずかしくもなんともない。というか何も感じない。完全な不感である。(意味が違う)

数年前、珍しく雪が降った翌朝のこと。
雪に慣れていない私は、凍結した路面(アイスバーン)に足を取られて転びそうになった。
潔く転べばよかったのだ。今思えば。
しかし、なんとか生還を試みようとした結果、私は小さな少年の前でタップダンスを踏むことになった。氷上の孤独なダンサーの誕生である。
が、誕生とほぼ同時に私の手足は虚しく宙をかき、腰から地面に叩きつけられた。
その時でさえ、何も感じなかった。眉ひとつ動かさなかった。

……嘘です。
気絶しそうなほど恥ずかしかったし情けなかった。
「大丈夫ですか?」と心配してくれた少年の顔を見返すこともできず、そそくさ退散した。

 

話は逸れたが、何が言いたいかというと、こんな裸でよかったらいくらでも見せてやる。(ちがうちがう😱😱)
まぁ仮に番台がおじさんだったとしても、ヌシがいたとしても、以前ほどは気にならないかもなぁということである。
そろそろまた老舗銭湯に訪れてみようか。
いや、やっぱりやめておこうか。
そう心の中で揺れ動いている私は、まだウブな小娘なんでしょうか?(だまれ´Д`)