はじめに・・
9月末、一気に涼しくなったせいか体調を崩してしまった筆者。
風邪を引いたわけではないのですが、胃腸の調子が悪く、謎の倦怠感もあり、すっかり精神的にも参ってしまいました。
体調が悪いからネガティブ思考に陥りやすいのか、あるいはネガティブ思考が続いて体調に異変をきたしてしまうのか・・・ もはやニワトリ卵ですが、「脳腸相関」※という言葉があるように、きっとそのどちらでもあるのでしょう。。
寒暖差や気圧の変化が大きい季節の変わり目は、知らないうちに自律神経が疲弊して乱れてしまいがち。。
いつも以上に睡眠や食事に気を配る必要があるなと感じたのが、今回「不定愁訴」について調べるきっかけになりました。
※脳腸相関(のうちょうそうかん):例えば、不安や緊張でお腹が痛くなったり、旅行先などの慣れない環境で便秘になったり、脳がストレスを受けるとお腹の調子が乱れることがあります。近年の研究ではこの逆もしかりで、腸内環境が悪くなると、気分が沈んだりイライラしたりとメンタルに影響が出ることがわかってきたそうです。腸には脳に次ぐたくさんの神経細胞があり(腸が第二の脳と言われる所以)、脳と腸は自律神経を介して互いに深く影響を与え合っているのだとか。。
不定愁訴とは
不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、なんとなく疲れやすい、だるい、眠れない、やる気がしない・・などと体調に異変を感じても、病院での検査や診察では異常が見つからず、はっきりとした原因が特定できない症状のことです。
こうした症状を感じている人は意外と多く、成人では20~30%の人が不定愁訴をもつと推定された報告もあるとのこと。。
よくある症状としては、カラダのだるさ、頭痛、冷え、便秘、めまい、むくみなど、全身にあらわれる身体的な不調や、わけもなくイライラする、気分が落ち込む、眠れないなどの精神的な不調があるそうです。
心身のストレス、不規則な生活習慣、ホルモンバランスの乱れなどが要因となり、自律神経のバランスが崩れた時にあらわれることが多いという不定愁訴。
エストロゲンなどの女性ホルモンの変化による影響で、男性より女性のほうがなりやすいんだそう。。
そして見逃せないのは、これら不定愁訴には深刻な栄養不良が隠れている場合があるというのです!
不調の原因は栄養不足!?

①飽食の時代に栄養失調という現実
1日3食食べていても、偏った食事により必要な栄養素が不足してしまうという「新型栄養失調」。
忙しない日々の中で、手軽に食べられるコンビニ弁当やおにぎり、丼物、パスタをはじめ、ハンバーガーなどのジャンクフードやお菓子などを食べる機会が多いと、糖質と脂質の摂りすぎはもちろんのこと、必要なたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維が深刻に不足してしまいます。
『産婦人科専門医が教える!不定愁訴を治す食事』(以降「本書」と呼ぶ)の著者、武者稚枝子氏によれば、現代人は糖以外の全ての栄養素が不足しがちなのだそうです。
特に日本人は本来摂るべきたんぱく質やミネラルなどの栄養素不足が顕著とのこと。そして女性のほとんどが、月経があるために鉄分をはじめとした栄養素が枯渇状態にあるというのです。
ちょっと野菜不足かな~と思う日はあっても、たんぱく質や鉄分などが不足している認識はなかった筆者。むしろコロナ過で少し肥えたので(ブヒ)、肉などのガッツリメニューは避けないとと思っていました・・汗
また腸活の観点でも、肉食=悪玉菌増加という漠然とした悪いイメージがありました。
成長期の子どもじゃあるまいし、むしろ30過ぎて太りやすくなったし、栄養はそんなにもう要らんから、これからは胃腸にも負担をかけない粗食でいくか~などと思っていた私の浅く軽い考えは見事に一刀両断されてしまったのデス・・
②女性が陥りやすい鉄欠乏
鉄は、血液を構成する赤血球の材料になって全身に酸素を運ぶのを助けたり、骨や皮膚、粘膜の代謝や、セロトニンなどの神経伝達物質の生成にも関わっていると言います。
そのため、鉄が欠乏した状態になると、冷えや肩こり、頭痛、脱毛、抑うつ、疲れやすいなど、全身にわたってさまざまな症状(不定愁訴)が現れてしまうそうです。
月経で毎月一定量の血液を失う女性は鉄欠乏になりやすいのですが、ここで怖いのは血液検査で貧血と診断されなくても、実は貧血の可能性がある(隠れ貧血)ということです!
検査ではヘモグロビンの値で血液中の鉄の量を調べるのですが、これが正常値であっても肝臓や脾臓などに貯蔵されている鉄(貯蔵鉄)を消費することでかろうじてその数値を保っているケースがあるのだとか。。
貯蔵鉄の量を表しているのが「フェリチン」という値(通常の血液検査では項目に無い!)だそうですが、「本書」によれば月経のある女性のフェリチン値はなんと同年代の男性の1/4~1/5にもなってしまうそうです。
ヘモグロビンが基準値内であっても、このフェリチン値が低いと何らかの鉄欠乏による症状が生じるとされており、不定愁訴の大きな要因になるとのこと。
言われてみれば、肩こりはひどいし、髪の毛はよく抜けるし、イライラしたりメンタル不安定だし・・・。過去の健康診断の結果をゴソゴソ引っ張り出して見てみると、ヘモグロビンは基準値内でもギリギリの値で、もしかしたらずっと隠れ貧血だったのかもしれないと反省しました。。
③機能性低血糖症の怖さ
機能性低血糖症とは、糖の摂りすぎなどで血糖値が高くなる状態が続き、血糖値を下げるインスリンがおかしなタイミングで出てしまったり、出る量が多すぎたりと調節異常を起こすことで血糖値が低すぎる状態となってしまう病態のこと。
食後の強い眠気やだるさ、空腹時の動悸や冷や汗などの自律神経症状や、不安や気分の落ち込み、イライラなどの精神症状を伴います。
「本書」によれば、低血糖による脳の栄養不足は不安を増強する要因の一つになるとか。。
低血糖だとうつやパニック障害に似た症状が出やすく、何を隠そう、私も(おそらく)機能性低血糖症です。
パニック障害になる以前より、空腹時に突如指先の震えや冷や汗、めまいなどの低血糖の症状に襲われ、急いでチョコなどの甘いものを摂取してしのぐ・・ということが多々ありました。
機能性低血糖症と鉄欠乏⇔精神疾患の関係については「本書」でも触れられており、不定愁訴の大きな要因に挙げられています。
怖いのはこうした糖の調節異常が続けば、いよいよインスリンの効きが悪くなったり、インスリンが枯渇してしまったりして、血糖値を自力で下げることのできない糖尿病になってしまうこと!
④たんぱく質不足の悪循環
筋肉や肌、骨、髪、爪など我々の体を作るのに欠かせないたんぱく質。
ホルモンや酵素、免疫物質などの構成要素にもなり、不足すると筋肉の低下や見た目の老化だけでなく、免疫力の低下や疲労感の増大につながると言います。
年齢やストレス、不規則な生活などで胃腸の調子が優れないと、どうしても消化に時間のかかる肉や魚よりも、消化に良いうどんやごはんなどの炭水化物に走りがち。。
その結果、どんどん肉や魚を受け付けない胃腸になり、糖質過多&たんぱく質不足の悪循環に。。
当然、鉄やビタミンB群(肉や魚に多い)不足にも直結します。
個人的な感覚ですが、胃腸の調子が優れずにしばらくうどんやごはん中心の食事を続けていると、ある時から逆に具合が悪くなってくる気が。。そこで鍋とかで野菜や鶏肉なども一緒に食べるようにすると、たちまち具合が良くなり、なんだか体も喜んでいるような気がすることが。。
胃腸を本当に壊している時は別ですが、やはりたんぱく質やビタミン、鉄分などバランスよく栄養を摂ることが大事だなと痛感します。
武者氏や栄養学のスペシャリストたちによれば、いきなりたんぱく質の摂取を増やしても胃腸が対応できないので、日頃から肉や魚を食べて消化できる胃腸を作っておくことが大切なのだとか。
いきなり!ステーキじゃなくて、徐々に!ステーキがいいのですね。(くだらんし意味わからん。キモい)
➄HSPの人はビタミンB群が不足している!?
ビタミンB群とは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸をまとめた呼び名です。
ビタミンB群の働きは、主にエネルギーを作り出すこと。糖質をはじめとするエネルギー代謝に欠かせず、他にも脳の働きや神経の働き、アルコールの代謝などに深く関わっているそう。
そのため、糖質やアルコールの摂取量が多いと、ビタミンB群が消費されて不足しがちに。。
また、脳の機能に直結する栄養素であるため、ストレスがかかったり、頭をよく使う生活をしている人ほど消費してしまうと言います。
ビタミンB群が不足すると、音や周りの物事に敏感になったり、脳の疲れが取りにくくなって寝ても疲れが取れないなどの症状を感じることがあるそうで、「本書」ではビタミンB群不足とHSP※の関係性についても指摘されています。
先日、自分のHSP気質に気づいた筆者。これまた過去の健康診断の結果をゴソゴソしてみると、肝機能のAST(GOT)とALT(GPT)の項目の数値が低く(AST「18」、ALT「11」でした)、ビタミンB群不足と判明しました!
検査では上記の項目は「30以下」かどうかしか見ず、「30以下」であれば「異常なし」となるようなので、結果の数値が低すぎる場合も問題があることを知りました。。
※HSP:「Highly Sensitive Person」の略語で、直訳するととても敏感な人。またの呼び名は繊細さん。
音や光などの刺激や周囲の人の機嫌や感情に影響されやすかったり、何事も深く考えたり過去のミスを引きずったりして、人一倍疲れやすい。
これからの食事で気をつけること

※あくまで一般論および私個人の症状に沿って書いています。持病やアレルギーなどある方は医師にご相談ください。
・炭水化物やスイーツを控えめに
現在は実家住まいということもあり、家族がそろう夜ご飯はたいてい肉か魚を食べるのですが、時間のない朝はバナナや白米に梅干しなどでサッと済ませたり、昼は大好きなパスタやうどん、コンビニおにぎりなどにしたりと、実に3食のうち2食は炭水化物中心の食事になっていました。OH!
また甘いものが大好きで、以前は間食もしばしば。。
ようやく今年の夏くらいから、アンチエイジング目的で週2,3回は砂糖を使ったスイーツを食べない日を設けたら、徐々に甘いものへの欲や衝動も落ち着いてきて、以前ほど欲しなくなりました。
スイーツを全く食べないというのは難しい、というか嫌なので(キッパリ)、このまま毎日だらだらと食べてしまうことのないように心がけたいと思っています。
先日から朝は目玉焼きや即席味噌汁を1品プラスしたり、昼はせめて親子丼やオムライスなどにして(結局、丼ものやんけ)なるべくたんぱく質も一緒に摂れるように意識し始めたところです。
・積極的に肉や魚、卵を食べる
前述したように、夜だけでなく朝や昼もたんぱく質や鉄分、ビタミンB群を意識したメニューを取り入れるように心がけています。
とはいえ、急にたんぱく質の摂取量を増やすと、腸内環境を荒らす原因になったり、肝臓や腎臓に負担をかけたりするそうで、『あこの栄養学チャンネル』のあこ氏(呼び方合ってる?)によれば、まずは1口2口増やすところからでOKとのこと。
そもそも胃が弱い人は胃酸・胃液・膵液などの消化酵素が少なく、消化酵素は主にたんぱく質からできているので、タンパク質不足が更なる消化能力の低下を招いているという事態に。だけど消化できないので、急にたんぱく質の摂取量は増やせない。
じゃあどうすりゃいいのよ!?と混乱したそこのあなた。
大丈夫!まだあきらめないで!(だれ?)
たんぱく質はアミノ酸に分解されてから吸収されるため、消化能力が弱い人は既に分解された状態のアミノ酸を摂れば良いんだそうです!
おススメはお味噌汁。味噌にはアミノ酸が多く含まれており、そこに煮干しの粉やかつおの粉など出汁の粉末をプラスして飲むのがおすすめ。消化能力が上がってきたら、さらにイワシのつみれやツナ缶、サバ缶などを加えてみて。byあこ氏
言われてみれば、長寿の人って肉をモリモリ食べている人多いですよね。
何才になっても肉や魚を消化できる胃腸でいられるように私もガンバリマス!
・サプリで上手に鉄分を補う
食事ちゃうやんけ!とツッこむ前にどうか聞いてください。
わかっています。(何が?)
食事だってもちろん意識しております。
鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、それぞれ豊富に含まれる食べ物は下記のとおりです。
ヘム鉄・・・レバー、牛肉(赤身)、かつお、まぐろなど
非ヘム鉄・・・あさり、納豆や厚揚げなどの大豆製品、小松菜、ほうれん草など
非ヘム鉄のほうの食べ物は比較的毎日摂りやすいですが、非ヘム鉄はヘム鉄に比べて吸収率がかなり低く、貧血対策にはヘム鉄の摂取量を増やすことが重要なのだそうです。
でも、レバーや牛肉、かつおまぐろって毎日食べるの無理じゃね?
ということで、サプリも使って上手に鉄分を摂ろう!というわけです。。
非ヘム鉄のサプリは胃腸に負担をかけやすいそうなので、私はヘム鉄のサプリを飲み始めました。
他には、鉄鍋で調理とかも鉄分摂取に効果的みたいです。
今日食べたものが明日の自分を作る

私たちの体は食べたもので出来ている。
そんなこと言われなくてもわかってる、つい最近までそう思っていました。。
だけど結局のところ、全然わかっていなかったことがわかっていなかったとわかりました。(どっちやねん)
この6年あまりパニック障害や「なんとなく不調」に悩まされてきましたが、まさか自分が栄養不良だとは思いませんでした。
普通に3食食べているだけでは本当に必要な栄養素が摂れないとわかった今、改めてバランスの良い食事を意識する大切さを痛感しています。
ドクターや栄養士さんによって提唱する食事法が違ったり、体のコンディションも人それぞれなので、まずは無理のない範囲でいろいろ試してみて、自分に合った食事法を見つけていくのが良いのではと思います。
今回のことを踏まえ、ぜひまたこちらで試行錯誤の結果を報告させてください!
みなさんにとって何か1つでも役立つ情報があれば幸いです。
※その他の参考サイト・動画
・女性のための健康ラボ Mint⁺(byあすか製薬株式会社)
『なんだか体調が悪い…あきらめないで!
その症状、「不定愁訴」かもしれません』
・Kampo View(株式会社ツムラ)
『不定愁訴(なんとなく体調が悪い)』
・テルモ糖尿病ケアサイト
『糖尿病と低血糖をよく知ろう|糖尿病の基礎知識』
・あこの栄養学チャンネル【女性のための栄養学】
