くるみの庭 ~ちょっとここらで深呼吸~

パニック障害とともに生きる筆者が、病気や人生のこと、心身の健康のために取り組んでいることを発信。

<思考・ストレス対処編①>実際に試して良かったこと ~心身の健康のために~

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はじめに・・

完璧主義で真面目、超のつく負けず嫌い。
自分を表すこれらの性格に、人生で何度も助けられてきました。
受験勉強や部活動、職場でまだ前例のないプロジェクト等々・・・。目標を達成するために全身全霊で打ち込み、必ず実現する。
私が私たる所以というか、、正直これらが無ければ、今日の私はいなかったと思います。
ただパニック障害になったことで、これまでの生き方をふと振り返るきっかけができました。
周りに認められたい、いつもベストでありたいという気持ちは、いつの間にかそうでなければならないというプレッシャーになり、自分を追い込むようになっていたのです。
努力は必ず報われる。結果が出ないのは努力が足りないからだ。だから、もっともっと頑張らなければ。。
病を発症するまでの私は常にこう考えていました。
けれど、学生の頃の試験勉強などとは違い、頑張ったら頑張った分だけわかりやすく点数や成績で戻ってくるわけではないのが人生。仕事での評価も、恋愛や人付き合いも。。
それなのに壁にぶつかる度に、周りと比較して過剰に落ち込んだり自分を責めたり。。
もっと頑張らなければという焦燥感と、でもどれだけ頑張っても報われないのだという閉塞感。

パニック障害を発症して以降は、こうした自分の性格や考え方を少しは客観的に見れるようになったつもりでしたが、実際はそうではなかったようです。
以前の仕事を辞めたことでストレスは減ったものの、気づけば新たなストレスに苛まれる日々・・。
ついには、あまり心身の負担にならないようにと週3,4で始めた仕事で、いつしか疲労とストレスを溜めこみ、パニック障害の症状がぶり返してしまいました。
パートタイムの仕事で具合が悪くなるなんて自分はもう普通の生活は送れないのではと自暴自棄になりつつも、結局やることや環境を変えても同じようなことで悩んでいる自分に気づきます。
もしかしたら、自分を苦しめているのは自分なのではないか?自分の考え方や捉え方に根本的な要因があるのでは?と初めて本気で考えるようになりました。
どこかで、きっと環境が変わったら大丈夫だろうという気持ちがあったのだと思います。
これまでの考え方や価値観を変えるのは容易じゃないと痛感するとともに、改めて悪い考え方の癖は直していかなければと覚悟を決めた瞬間でした。

自分を追い込んでいたもの(考え)からの脱却

一般的にパニック障害になりやすい人は、完璧主義で真面目、繊細で不安やストレスを感じやすい人だと言われています。
ただいざ自分に当てはめた時、30年以上それが当たり前の生活を送っていたので、何がそこまで自分を追い込んでいるのか、いまいちわかりませんでした。
そこで改めて自分は何にストレスを感じているのか、そのストレスはどこから来ているのかを振り返ってみることに。。これまで正しいと信じていたことも一度全て疑ってみることにしました。
自分にとって本当に大切なものは?本当の幸せとは?
自分なりに徹底的に考え(ここでも性格出てますが・・苦笑)、たどり着いた答えを幾つか紹介します。同じように息苦しさを感じている人の何か助けになれたら幸いです。

①完璧でなくていい
正直、病になるまで自分が完璧主義だという自覚はそんなにありませんでした。自分にとってはそれが普通だったから。
でも、今思えばそれが問題だったのです。
クオリティを追求するあまり、細かいところまで気にしすぎてしまったり、誰かの些細なミスが許せなかったり。。自分にとって当たり前のことを他の人が同じようにやってくれないのは、とてつもないストレスでした。
結果、人に仕事を任せることができず、自分で抱え込んでしまうことに。率直に、同僚とも良い関係ではありませんでした。
病になったことで、今の仕事は自分一人のものではないこと、それなのに自分の理想を実現させようとしすぎてしまったこと、100%ではなく70%でもいいからバーンアウトせず持続的に成果を出していくことの重要性に気づきました。
昔から自分は0か100で、何事も白黒はっきりさせないと気が済まないタイプでしたが、そんな生き方はどこかしんどかったのも事実です。
完璧でなくていい、グレーでいい、もっと人に頼っていい、もっと周りの人を信頼しよう。それでもし予想外の産物ができたとしてもいいじゃないか。
一人でやれることには限界があり、自分の理想を追い求めることが正解とは限らないのだ。
そう考えるようにしたら、肩の荷が下りてだいぶ気持ちが楽になったのを覚えています。

 

②Peaple pleaserを辞める
Peaple pleaser(ピープルプリーザー)は、人を喜ばせる人という直訳からも想像できるように、頼まれたらノーと言えない人、お人好しなどの意味があります。
相手を喜ばせることや人に認められることに存在意義を強く感じるタイプなので、時に自分の感情を押し殺してまでそれをやってしまうという一面があります。
思い返せば、感情の起伏が激しい母の影響もあってか、幼い頃から人の顔色をよく窺っていました。相手をがっかりさせたくない、怒らせたくないという気持ちは、大人になっても変わらず、些細な表情や発言をいちいち気にしてしまいます。
その結果、パートタイム以上の仕事を求められても、心の中では完璧でなくていいと思う反面、人不足の現状もわかっているだけにどうしても断れず、社員に交ざって遅くまで残業することもしばしば。
ついには肉体的疲労とストレスによる精神的疲労で、帰りの電車でパニック発作が起こるようになりました。前職とは仕事上の立場も内容も全く違うにもかかわらず、同じような状況に陥ってしまったわけです。。
こうなって初めて状況のヤバさに気づいた私は、就業時間を1時間短縮させてもらうことを決意。人手不足の中これを相談するのはとても勇気がいりましたが、健康には変えられません。
そもそも人が足りないこと、仕事量が多すぎることは、私一人が頑張ってどうなるものでもありません。組織で解決しないといけない課題だと思い至りました。

このことは私にとって1つのゲームチェンジャーでした。
自身の体調を押して働くのをやめたら、帰りの電車でパニック発作に襲われることも無くなりました。
仕事仲間に認められること、仕事ができると思われることは、私にとってとても大切な指標でしたが、できないものはできないとはっきり伝えること(伝え方は重要)も、長い目で見れば同じくらい大切なことだと気づきました。
『私は私のままで生きることにした』(キム・スヒョン 著)という本との出会いも大変大きな助けになったので、ここで紹介しておきます。よかったら読んでみてください。

 

③物事を深刻に捉えすぎない
以前も少し触れましたが、心配性な私は人よりも事態を深刻に受け止めてしまう癖があります。
例えば、仕事で新たなタスクが加わったとします。
こういう時、私の中に真っ先に浮かぶのはネガティブな感情です。
ただでさえ手一杯なのにきちんとできるだろうか?もしそれで更に忙殺されることになったら?
そもそも上はこちらの大変な状況をわかってくれているのか?
もしや誰かがやりたくない仕事を押し付けられているのでは?と、どんどん悪い方へ展開していってしまうのです。
我ながらたくましすぎるネガティブ想像力・・笑
もちろん完璧主義ゆえに、これ以上仕事を抱えてはクオリティを維持できないという独自のアラートが発動してしまう部分もあるのですが、まだ起こっていないことを先回って心配したり、勝手に相手の真意を測って腹を立てたりしても何もなりません。
むしろフンコロガシの如く、自らストレスをコロコロと雪だるま式に膨らませてしまうだけです。
初めから完璧を目指そうとせず、いざやってみて難しかったら改めて相談するなど、その時が来たら柔軟に考えればいいのです。
思い返せば、打たれ弱い私は先回って最悪な状態を想像しておくことで、今後何が起こってもこれ以上落ちることはない・・という安心感のために、せっせとコロコロしていた節があります。
そう、とんだマゾです。。

コロコロ・・

7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー 著)でもうたわれているように、物事には自分でコントロールできる範囲とできない範囲があります。
他人の考え方や態度、会社での評価、天気、過去の失敗などは基本的にコントロールできない範囲で、自分の考え方や態度などはコントロールできる範囲です。
つまり、コントロールできない範囲のことでいくら悩んでも自分の思うようにはならないのです。だから変えられないものにストレスを感じるより、変えられるものに集中して向き合うことが大切。その結果、コントロールできない範囲にも好影響を与えることができるのだそうです。
私も昨年から子育て(注:ペットです)でいろいろ思い通りに行かないことを経験し、何事も一喜一憂せずにどしんと構えていることが大切だなと感じました。

 

<思考・ストレス対処編②>  につづく・・

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