はじめに・・
「パニック障害」(嘔吐恐怖症もあり)と診断されてから約6年。
ひどい時は空いている電車にも乗ることができなかった私ですが、今では電車通勤や外食、旅行などある程度の日常生活は問題なく送れるようになりました。
今回は、そんな私が実際に行ってきた治療法と、発作が起きた時の対処法などを具体的に紹介していきます。
医療の知識は無いので、あくまで一当事者の体験談として読んでいただければ幸いです。
薬物療法と認知行動療法

治療は薬物療法と認知行動療法のセットで取り組みました。
私の場合、薬は抗うつ薬のセルトラリン錠を1日1回夜に摂取します。
薬の量は主治医が判断するのですが、初めは少しずつ増やしていってある量に達した時、自分でもその効果を実感したことがありました。
主治医によれば、人によってはこの薬物療法だけで良くなる場合もあるそうです。
治療を始めた当時は、ベッドに入っても1時間以上寝付けないことが多かった(ひどいと2時間以上!)ので、スムーズな入眠を助ける薬も一緒に服用していました。
睡眠薬よりももっと安全なお薬ということでしたが、こちらは1年ほどで飲む必要がなくなって止めたので、薬の名前は忘れてしまいました・・・
6年経った今もセルトラリン錠は飲み続けていますが、薬の量はだいぶ減らすことができました。
主治医いわく、とても安全なお薬で飲み続けても身体的に何も問題はないとのことですが、私個人としてはいつか卒業できたらなと思っています。
認知行動療法は、人混みや閉鎖空間ではうまく呼吸ができない、外食でお腹いっぱい食べたら吐く、などという誤って定着してしまった考えを正常に戻し、実際に繰り返しその場面を経験することで、恐怖や不安を克服していく治療法です。
私は主治医の勧めで、カウンセラーさんと一緒に取り組むことに。
初回のカウンセリングでは、これまでの自分の人生についてわりと根掘り葉掘り聞かれて丸裸にされましたが、心の奥底にしまい込んでいたモヤモヤも吐き出すことができたように思います。
私の言ったことを否定せず、そう感じるのはどうしてか?と掘り下げていってくれたおかげで、自身の考え方の癖であったり周囲の環境を客観的に捉えることができたのは面白かったですし、良い発見にも繋がりました。
こちらでは主に自身で取り組む課題を決め、練習メニューを作りました。
まず発作が起きやすいシチュエーションや苦手な場面を箇条書きにし、ハードルの高さごとにそれぞれ点数をつけます(100点制で、ハードルが高いほど点数も高くなるように)。
点数をつけ終わったら、点の低い(ハードルが低い)ことからチャレンジし、徐々に難易度を上げていきます。
月に1回カウンセリングを受け、カウンセラーさんと一緒に練習の成果を振り返ったり、今後の方向性を決められたりできたのは個人的にとても良かったです。
練習課題をクリアし、今後は一人でも大丈夫と思えたタイミング(半年ほど)で、カウンセリングは卒業しました。
実際に発作が起きたら・・
自身の健康状態にどんなに気を配っていても、パニック発作は起きてしまうことがあります。
そんな時はどのように対処すればよいのでしょう。
医師からはとにかく呼吸を意識するようにと繰り返し言われました。
パニック状態の時は呼吸が浅くなっていて、しっかり息を吐き切る前に焦って吸おうとするので、逆にどんどん息を吸えなくなって苦しくなってしまうのです。中には過呼吸になってしまう人も。
まずは落ち着いて、例えば4秒で吸って6秒で吐くといったふうに、吐く息をより長く意識して行うように言われました。
きちんと息を吐き切ることができれば、吸うことは意識しなくても空気は入ってくるそうです。
私も実体験として、呼吸の乱れとパニック発作は密接に関係しているなと感じており、発作が起きた時はまず息をしっかりと吐き切ることを意識しています。
呼吸が整えば、自ずと発作も収まるように思います。
一方でカウンセラーさんからは、心理的な対処法を教わりました。
「不安や恐怖を排除しようとするのではなく、それらと一緒にそこにいるようにしてみましょう」と。
・・・ん?どいういうこと?
そう戸惑われた人もいるかもしれませんね。
大丈夫です。(なにが)
書いている私自身が一番戸惑っています。(は?)
たしか不安や恐怖自体は悪いモノではなく、それらを排除しようとすればするほど不安になってしまうので、それらに襲われた時は、あぁ今自分は不安なんだなと、こみ上げてくる感情をありのまま受け止めよう・・みたいなことだったと思います。(違ったらスミマセン・・)
何度か試みようとはしたのですが、パニック発作が起きた時にここまで達観して自分を見る余裕をどうしても持てず、私はうまく活用することができませんでした。(なんそれ)
ただそんな私でも、この考え方はかなり有効だなと感じるものがありました。
それは前回発作が起きたからといって、今回もそうなるとは限らないというものです。
一度発作が起きた場所や似たシチュエーションでは、それを強く意識するあまり発作が起きやすくなってしまうことがあります。
そんな時は、上記の言葉を脳内で繰り返し唱えるのです。
人混みや閉鎖空間ではうまく呼吸ができない、外食でお腹いっぱい食べたら吐くかもしれない、などという考えは、一度か二度たまたま起きたことを今後も必ず起きるものだと誤って脳内で変換してしまっているだけだと言えます。
ある意味、一度か二度の失敗を過剰に捉え、自ら不安や恐怖を作り出してしまっているのです。
だから、こうした考えに襲われた時は、それは正しくないと、間違った考えだよと自分に教えてあげる必要があります。
私が辿り着いたベストな対処法は・・
6年間パニック障害と付き合い、発作に襲われた時に個人的に一番効果を感じている対処法をご紹介します。
それはずばり「大丈夫、これは私の脳が勝手に作り出した幻覚で、本当に具合が悪いわけじゃない(死ぬわけじゃない)、と心の中で自分に言い聞かせ、繰り返ししっかり息を吐き切る」です。
発作が起こると、またダメかもしれないと心が折れそうになりますが、いやいや、これはそもそも誤ったイメージで、ダメになるなんてことは絶対にない、と自分で自分を励ます感じです。
ほっといても次々と浮かんでくる最悪のシナリオを吹き飛ばし、恐怖で頭が真っ白になってしまう前に(いわゆるパニック状態にならないように)、それに置き換わるプラスのイメージを思い浮かべることも有効です。
私の場合は、綺麗な海に大の字になってプカプカと浮きながら、真っ青で広い空を眺めているシーンが多いです。以前実際に体験し、とても良い思い出として記憶に残っている場面です。
自分がリラックスして楽に呼吸ができるイメージなら何でもよいと思います。

健康な人でも体調不良の時などはパニック発作のような症状が出ることもあるでしょう。
ただそれに対する恐怖や不安が膨らみ、それらが日常に支障を及ぼすほどになってしまった状態がパニック障害なのだと思います。
言い換えれば、発作自体は何も異常なことではないのです。
主治医からも、パニック障害の治療のゴールは発作が起きないようにすることではなく、たとえ起きても適切に対処できるようになることだと言われました。
発作が起こらないようにとばかり考えていたら、逆に起きやすくなったり、実際に起きた時に落ち込んでしまいがちですが、発作が起きてもうまく対処できたから大丈夫という経験を積み重ねることで、自然とそれへの恐怖や不安が和らぎ、発作自体も減るものなのかもしれません。
発作の時はこのまま死んでしまうのではないかと思うほどの恐怖や苦しみに襲われますが、絶対大丈夫!あなたは死にません。
こんなところで死ぬはずがありません!
どうか気持ちを強く持って、呼吸だけは気をつけながら過ごしてください。
一般的にパニック障害は、真面目で完璧主義、不安やストレスを感じやすい人がなりやすいと言われていますが、近頃私自身もこうした思考の癖や考え方が影響しているところも大きいのではと感じるようになりました。
そう思うようになったきっかけも含めて、物事の捉え方や考え方については、別途ゆっくりとお話しする場面を設けたいと考えています。
さて、いよいよ次回からは、私が心身ともに健康になるために実際に試して良かったことを紹介していきます!